Lightroomで早朝の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

記事内容

この記事では「Lightroom Classicの使い方」の実践編として、具体的にLightroomを使っていく過程を解説したいと思います。今回は早朝の空を現像してみます。

素材は明るくなり過ぎ、本来の色のグラデーションが失われている状態です。これをLightroomでうまく補正していきたいと思います。

目次 ▽△

元画像の確認と現像調整の方向性

まず元画像を見てみます。機材はD750、Nikon14-24mmf2.8。設定は焦点距離17mm、F8、SS1.0秒、ISO100。10月の早朝の風景です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

構図の良し悪しは置いておいて、そもそもデータが良くありません。

ヒストグラムを見てみましょう。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

空の明るい部分は白飛びギリギリ。完全な白飛びはしていませんが、階調はきつい感じです。また、地上は暗く、特に手前の木々は黒つぶれしています。

本来ならハーフNDフィルターを使ったり、あるいは露出ブレンドしたりして、もっと状態の良いデータで撮影するべきですが、あまり知識のなかった5年前に撮影したものなので仕方ないです。

現像調整の方向性としては、まず空のグラデーションを取り戻すことです。画像では白っぽくなっていますが、実際はもっと深い色合いのグラデーションでした。

それから、黒く影になっている地上部分を再現することです。果てし無く続く森が印象的な場所なので、それを再現したいと思います。また、森にかかる橋には車の軌跡が写っているので、それも目立たせたいと思います。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

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Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

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では、現像していきます。

基本補正を調整

最初に、レンズ補正で「色収差を除去」、「プロファイル補正を使用」にチェックを入れます。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

これで歪みなどが取り除かれる。

次に、基本補正にてざっくりと明るさを補正していきます。方向としてはハイライト側を抑えつつ、シャドウ側を持ち上げる。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

コントラスト +27 、ハイライト -69、シャドウ +60、白レベル +26、黒レベル +32 としました。

ハイライトをマイナス補正し、シャドウをプラス補正しているのに、コントラストを上げるという一見矛盾した補正をしているようですが、ヒストグラムと画像の様子を見ながらスライダーを動かした結果なので、特に気にしません。

色補正、色かぶり補正、彩度、明瞭度などについてはそのままです。

補正前(左)と補正後(右)の比較です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。
Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

これだけで空の色がやや復活し、地上も見えるようになりました。

ヒストグラムはこのような感じです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

シャドウが持ち上がり、ハイライト側の山が低くなりました。

ハイライト側の山はできるだけなだらかになった方がグラデーションが良くなります。まだ不完全ですが、これから更に補正していきます。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

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Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

Lightroomの基本補正の使い方(明瞭度、テクスチャ、かすみ除去、彩度編)。

部分補正を調整

段階フィルター

空の部分に段階フィルターを使い部分的に補正します。

まず、1枚目はざっくりと大きく掛けます。画像によって境界線を綺麗に整えたり、そうでなかったり様々です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

これで露出量 -0.30、ハイライト -31、白レベル -4とします。

次に、2枚目。これは斜め気味に緩く掛けます。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

露出量 -0.84、ハイライト -15、白レベル -11 です。そして、かすみ除去 +10。

最後に3枚目は左下です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

露出量 -0.30 とします。ここは暗くすることにしました。

段階フィルター3枚とも明るさを抑える方向です。フィルターのかけ具合や調整幅は、画像を見ながら調整します。

補正前(左)と補正後(右)の比較です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。
Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

暗くすることで色が濃くなりました。露出の明暗は、色の濃淡と考える視点がポイントです。

ヒストグラムです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

ハイライト側の山が潰れてきました。

円形フィルター

円形フィルターを使い、地上部分を補正していきます。

1枚目は森の部分に大きめに掛けます。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

これで露出量 +0.40、かすみ除去 6 とします。くっきりさせたいので気持ち程度にかすみ除去を使いました。

2枚目は橋の部分に掛けます。もっと綺麗にマスクすれば良いのですが、この辺はざっくりです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

明瞭度 +20 とします。この部分はパッきとさせたいので明瞭度を使います。

3枚目は下方周辺に掛けます。これはトンネル効果を狙ってです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

これで露出量 -0.30です。

補正前(左)と補正後(右)の比較。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。
Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

森と橋が引き立つようになりました。

ヒストグラムです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

ハイライト側はなだらかです。おそらくこのデータではこれが限界のようですね。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

Lightroomの段階フィルター、円形フィルター、ブラシの使い方について。

明暗別色補正を調整

明暗別色補正を使い色を補正します。これは色温度や色かぶり補正のスライダーを使っても良いのですが、今回は明暗別色補正で行った方が好みになりました。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

ハイライトの色相を 280、彩度を 25 とします。青紫を加えたような感じです。

補正前(左)と補正後(右)の比較。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。
Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

雰囲気がガラリと変わりました。色が濃いなと思う場合は、彩度を下げると良いです。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

Lightroomの明暗別色補正の使い方について。好みの色味にしよう。

最後の調整

最後の調整として、シャープネスを施します。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

適用量 50、半径 1.2、マスク 27 としました。これは画像の様子を見ながら調整しましょう。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

Lightroomのシャープとノイズ低減の使い方について。写真の細部を補正する。

さらに、空がフラットな感じがしたので、思い切って周辺減光っぽくさせてみました。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

空の周辺部に円形フィルターでマスクを施します。これで露出量 -1.0 と大きめに落とします。

さらに、基本補正にて全体に明瞭度を +20 しました。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

メリハリを出したかったので。

そして、明暗別色補正の彩度を +25 から、+20 へ下げました。ちょっと濃い目だったので。

これで完成です。

Lightroomで日の出の空を現像する。明るくなり過ぎた空を補正。

元画像のデータが良くなかったので限界もありますが、空の深いグラデーションを取り戻すこと、地上の森や橋を目立たせることができました。

仕上がりは好みもあると思うので、自分がしっくりくるように調整すると良いかと思います。

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