
Canon(キヤノン)のミラーレスカメラまとめ。
この記事では天の川を出来るだけ高いクオリティーで撮る方法について書いています。
天の川の撮影に慣れていると、今度はクオリティーが気になってくるのもです。どうしたら天の川の写真のクオリティーを上げられるのか、そのヒントを紹介しています。
基本的な撮り方は下のリンクを参考にしてください。ちなみに、ここでの天の川の撮影とは、いわゆる「星景写真」のこととします。
天の川を撮影する方法(初心者編)。お気軽に天の川を撮影してみよう。目次 ▽△
天の川を撮影するレンズには以下の点に注目すると良いです。
この3点です。一つづつ解説します。
天の川の撮影では特別な意図がないのであれば、まずは焦点距離24mm以下の超広角域のレンズがおすすめです。理由は2つあります。
まず、風景と天の川を撮る場合に構図を作りやすいからです。画角が狭いとうまく両方を写すことができません。
それから、広角である方が星の動きが目立ちません。星は日周運動しており、思った以上に速く移動している。なので、写真で星を撮影すると、どうしても点ではなく伸びて写ってしまいます。
これは広角である方が目立たなく、例えば焦点距離14mmでSS15秒と、焦点距離35mmでSS15秒では、前者はほぼ点に見えますが、後者は流れて見えてしまいます。なので、より広角の方が諸々と撮影で優位になります。
天の川の撮影では高感度との戦いでもあります。やはりISO感度は上げない方が画質的に綺麗です。
なので、ISO感度を抑えられる明るいレンズの方が圧倒的に良いです。
具体的には開放F2.8以下のレンズが適しています。
天の川の撮影は通常の風景の撮影とは違い収差にシビアです。開放付近で、遠くにある、小さな光の点を移すことになるので、レンズには非常に厳しいシーンになります。
特に、星の撮影では「非点収差」や「コマ収差」と呼ばれる収差が問題となります。
非点収差は星が羽を広げたように変形します。
これが非点収差です。レンズによっては盛大に収差が出るので、せっかくの星も残念な感じなります。
コマ収差は彗星が尾を引くように変形します。
これがコマ収差です。これも見栄えが良くありません。
非点収差もコマ収差も画面周辺部で発生しやすいです。また、絞れば解消しますが星の撮影では、できるだけ開放で撮影したいので、開放から収差が少ないことが望ましい。
それから、非点収差やコマ収差ほど問題ではありませんが、周辺減光や歪みも少ない方が良いです。周辺減光や歪みの補正はそれほど難しくありませんが、最初から無いに越したことはありませんね。
完璧なレンズはないので、ある程度の欠点は許容する必要があります。その中で良いなと思うレンズはこれらです。
単焦点レンズならシグマ14mmF1.8やサムヤンXP14mmF2.4がおすすめです。
シグマ14mmF1.8は開放だと非点収差が目立ちますが、F2.8での使用ならそこそこ良くなります。
サムヤンXP14mmF2.4は開放から収差が少ないです。ただし、シグマ14mmF1.8と比べて周辺減光や歪みは目立つ傾向です。
他にも焦点距離20mmの単焦点は天の川を撮影しやすいのでおすすめできます。
また、ズームレンズならシグマ14-24mmF2.8の評価が高い。
サードパーティ製なので価格的にも手にしやすく、コスパは高いです。
まず、シャッタースピーを見直します。星の動きをできるだけ抑えたいからです。
これは広角ほどシャッタースピードを長くできます。焦点距離14mmなら15秒でも問題なく、20mmなら8〜10秒が良いでしょう。
ただし、シャッター速度を短くすれば、それだけISO感度を上げる必要が出てくるので画質的には不利です。なので、自分のレンズにあったシャッター速度となるよう調整しましょう。
そして、F値は収差の許容範囲を考えて開放からF2.8の間にし、ISO感度は露出をみて調整します。ちなみに、露出はヒストグラムを確認すると良いです。基準としては左から1/4の場所に山がくると概ね問題ないとなります。
これくらいのヒストグラムなら良いでしょう。
ヒストグラムが極端に左に寄るようであれば、露出不足なのでISO感度をしっかり上げます。
ここでは天の川の撮影で広く用いられている2つの方法をご紹介します。
まずは星空と地上を別撮りし、Psで合成する方法です。
星は動いているのでISO感度を高くし、短いシャッター速度で撮影しなければなりませんが、地上は動かないので低感度でシャッター速度を長くし撮影することができます。もちろん、低感度の方がノイズが少ないです。
なので、星空と地上を別撮りすることで、不必要なノイズを減らすことができるわけです。例えば、星空を14mm、ISO6400、SS15秒で撮影、地上を14mm、ISO800、SS120秒などと設定を変えて撮影し、Psで1枚に合成します。
これで地上部分はノイズレスな天の川の写真を撮れます。しかし、これだと依然として星空のノイズはそのままです。これを解消する方法として加算平均合成があります。
加算平均合成を使うと劇的にノイズを減らし画質を向上させることができます。加算平均合成とは画像を重ねることで高感度ノイズを目立たなくさせる方法です。
実は高感度ノイズはランダムノイズと言われ、画像一枚一枚で発生する場所が異なります。なので、画像をものすごく細かく見ると、ある画像ではノイズが出ている部分も、他の画像ではノイズが出ていなかったりします。
ということは、例えば2枚の画像において、ノイズが出ている部分とノイズのない部分を足して割る(加算して平均する)とノイズの程度が抑えられます。ノイズを「1」、ノイズなしを「0」と考えると、(1+0)÷2=0.5で結果的にノイズの程度が半分になるみたいなイメージです。
そこで星空を14mm、ISO6400、SS15秒などで15枚程度撮影し、加算平均合成します。ただし、Psでの合成は星の位置合わせが難しいので、専用のソフトを使用します。
Macとwindowsでそれぞれ上のようなソフトが使えます。
私はStarry Landscape Stackerを使用していますが効果は抜群です。
14mm・ISO6400・SS15秒で1枚(左)と、14mm・ISO6400・SS15秒を15枚加算平均合成した画像(右)ではここまで違います。
これでノイズレスな滑らかな星空になりますね。
もちろん、さらにこれで地上を別撮りしても良いです。地上だけの加算平均合成ならPsでも簡単に行えます。
例えばですが、私は星空を14mm、ISO6400、SS15秒で15枚撮影し加算平均合成、地上を14mm、ISO800、SS180秒で3枚撮影し加算平均合成、それを1枚に合成するという方法をすることが多いです。
この方法でクオリティーの高い天の川の撮影ができます。
Canon(キヤノン)のミラーレスカメラまとめ。
Panasonic(パナソニック)のミラーレスカメラまとめ。
Photoshopで画像を保存する方法。PSD形式で保存とWeb用に書き出す手順。
ISO感度とは。その使い方とデメリットについて。