
天の川を撮影する方法(上級編)。クオリティーにこだわって天の川を撮影してみよう。
この記事では、フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズなどのセンサーサイズの違いにより、撮れる写真や機材の点でどのような違いがあるのか解説しています。
センサーサイズはカメラにとっても最も大切な要素です。カメラを購入する前には、しっかりその違いを確認しておいた方が良いでしょう。
目次 ▽△
センサーは、昔のカメラでいうフィルムみたいなもの。ここに光が当たることで写真が撮れます。
これがセンサーです。
それでセンサーには様々な大きさの規格が存在しています。
上図は各規格のセンサーの大きさを比較したものですが、これ以外にも更に多くの規格があります。
ちなみに、一眼レフカメラやミラーレスカメラなどの、レンズを交換できるカメラでは、「フルサイズ」、「APS-C」、「マイクロフォーサーズ」というセンサーサイズが多いです。
それでセンサーの大きによって何が違うのか・・・。フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズの、3つのセンサーサイズに注目して、まとめて行きたいと思います。
まず、センサーサイズによって撮れる写真の画角(写る範囲)が違ってきます。
ざっくり言うと、同じレンズを使っても、センサーが大きい方がより広角で写り、逆にセンサーが小さい方がより望遠で写ります。センサーが小さなAPS-Cやマイクロフォーサーズは、フルサイズよりも1.5倍とか2倍くらい望遠になる。
そうすると、例えば野鳥を取りたいとか、スポーツを撮影したい場合では、センサーが小さいAPS-Cやマイクロフォーサーズのカメラの方が優位ということになります。
逆に、風景の撮影などで広角を中心に使いたい場合などは、どちらかと言うとフルサイズが優位です。
35mm換算とは何か!?APS-Cやマイクロフォーサーズの35mm換算の方法。センサーの大きさによってボケの大きさも違います。
これはセンサーが大きい方がボケやすいです。同じような写真を写した場合に、APS-Cやマイクロフォーサーズよりもフルサイズの方が、ふわっと綺麗にボケます。
APS-Cはフルサイズに比べちょっとボケにくい、マイクロフォーサーズはボカすのがちょっと苦手です。ただし、それでもスマホやコンデジに比べれば、はるかにボカしやすいです。
また、これは使うレンズにもよります。フルサイズでもレンズがダメだと綺麗にボカせません。一方で、APS-Cやマイクロフォーサーズでも、F値が小さな単焦点レンズなどを使えば、ふわっと綺麗にボカすこともできます。
階調というちょっと難しい単語を使いましたが、明暗や色のグラデーションのことだと思って良いです。
人の目では綺麗に見える風景でも、カメラではなかなか綺麗に写せません。例えば、風景写真などを撮ると、暗い部分が真っ暗になってしまったり、明るい部分が白っぽくなってしまったりすることがあります。明暗のグラデーションが上手く表現できないわけです。
このようにそもそもカメラは明暗差に弱いのですが、それでもセンサーが大きい方が明暗差に強い傾向になります。なので、フルサイズのカメラは明暗差があっても比較的綺麗に写せます。
逆に、APS-Cは明暗差にやや弱く、マイクロフォーサーズでは更にもう少し明暗差に弱くなります。
この理由は、センサーが大きい方が多くの光を受け取ることができるからです。受け取る光が多い方が、その分情報量を多くできるので、写真も綺麗になるわけです。
ただし、これはそこまで雲泥の差みたいなものはないです。ごく僅かな差。しかも、カメラ機種にもよります。なので、あまり気にしなくても良いのかなと思います。もちろん、徹底的に画質にこだわりたいとかなら話は別ですが。
暗い場所で撮影をするときに、ISO感度というものを高くすることがありますが、ISO感度を高くすると画質が劣化しやすくなります。
ただし、センサーが大き方が劣化しにくいです。つまり、暗い場所でも撮影に強いということになります。逆に、APS-Cは暗さに少し弱いです。マイクロフォーサーズはさらにAPS-Cよりも弱い。
なので、手持ちで夜景を撮りたいとか、星を撮影したいなどの場合は、フルサイズのカメラが優位となります。
センサーが大きくなるほど、カメラは大きく重くなります。
フルサイズのカメラは大きく重たいものが多いです。一方で、APS-Cのカメラはフルサイズに比べれば小さく軽い。マイクロフォーサーズのカメラに至ってはさらに軽量小型です。
これはソニーのフルサイズ機(右)とAPS-C機(左)の比較です。一回り以上、APS-C機の方が小さいですね。
また、カメラ本体のみならず、レンズもフルサイズ用のものは大きく重くなります。レンズだけで1kgを超えるものも珍しくありません。逆にAPS-Cやマイクロフォーサーズにつけるレンズは軽量小型なものが多いです。
なので、システム全体で考えると、かなりの差が出てきます。持ち運びなどの事を考えると、APS-Cやマイクロフォーサーズの方が断然優位です。
センサーサイズが大きくなると、カメラやそのレンズの値段は高くなります。しかも、フルサイズはプロ仕様なものが多く、なかなか気軽に買えるものが少ないです。10万円のレンズでも安く感じてきますね。
一方で、センサーの小さなAPS-Cのカメラやレンズ、そしてマイクロフォーサーズのカメラやレンズは比較的安価です。もちろん、高価なものもありますが、趣味用として気軽に購入できるものが多いです。
また、カメラやレンズのみならず、三脚やカメラバッグなどを欲しくなった場合にも、機材の重さや大きさに見合ったものを購入することになるので、フルサイズの方が高額になってきます。
全体的にフルサイズのカメラはお金がかかります。
簡単にまとめるとこのような感じになります。
センサー大 | センサー小 |
広角に適している | 望遠に優位 |
ボケが大きい | ボケが少ない |
画質が良い (階調や暗所耐性がある) | 画質やや劣る (階調や暗所耐性がちょっと弱い) |
機動力に欠ける (重く大きい傾向) | 機動力がある (軽量コンパクト) |
機材が全体的に高価 | 機材を安価に揃えやすい |
以上のように、撮れる写真はセンサーが大きい方が、全体的に綺麗です。ただし、センサーの小さなカメラと雲泥の差があるというわけではない。一方で、持ち運びや費用の面では、センサーが小さい方が断然優位です。
この違いをどう捉えるか。
登山や旅行、あるいは日常的にカメラを持ち歩きたいのなら、APS-Cやマクロフォーサーズのカメラの方が良いでしょう。フルサイズのような大きなカメラは持ち歩くのが大変で、そのうちカメラを使わなくなってしまうかも知れません。
一方で、徹底的に画質にこだわりたいというのであれば、センサーの大きなフルサイズのカメラが良いでしょう。こういった方は、APS-Cやマイクロフォーサーズのカメラを使っていると、フルサイズのカメラを使いたくなってきます。俗にフルサイズ症と言います。
なので、カメラの使用目的や、撮りたい写真によって選ぶと良いでしょう。
最後に注意点としてですが、レンズにはフルサイズ対応とAPS-C専用などの種類があります。
APS-Cのカメラには、基本的にフルサイズ対応レンズも使うことができます。一方で、フルサイズのカメラにはAPS-C専用レンズは使えません。
ということは、APS-Cのカメラとレンズを揃えた後に、もしフルサイズのカメラに移行したくなった場合、APS-C専用レンズが無駄になってしまう可能性があります。
なので、いきなり高価なフルサイズのカメラは買えないかも知れませんが、「いつかフルサイズを使ってみたいな」と思っている場合は、レンズの購入には気をつけた方が良いかも知れませんね。
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