
Lightroomの変形の使い方について。歪みを除去して自然な見え方にする。
シャッタースピードをコントロールできるのが、一眼レフカメラやミラーレスカメラの魅力でもあります。
シャッタースピードを長くすれば、肉眼で見る世界とは違った、幻想的な写真を撮ることができます。スマホやコンデジにはできない表現です。
そして、こういった撮影には「NDフィルター」と呼ばれるものが必要になります。この記事では、NDフィルターの選び方やおすすめのNDフィルターについて解説していきます。
目次 ▽△
NDフィルターとはこれです。
見た目は黒色のガラスです。
もちろん、ただの黒いガラスではなく、色に影響を与えずに光の量を均一に減らすことができます。
シャッタースピードを長くする撮影では、ほとんどの場面でNDフィルターが必要になります。
それは何故なのか?
まず露出オーバーになることを防げます。
例えば、シャッタースピードを長くしたい時は、絞りを絞るか、ISO感度を低くします。ただ、これにも限界があり、絞りはF22くらいまでしか絞れないし、ISO感度も100くらいまでしか低く設定できません。
この状況で無理にシャッタースピードだけを長くすると、露出オーバーで写真が真っ白になってしまいます。なので、NDフィルターを使い光量を減らしてあげる必要があるわけです。
また、絞り過ぎると「回折現象」という現象が起こり、解像感が失われてしまうことがあります。
これは左がF22、右がF5.6で撮影した画像を拡大したものです。左の方がモヤっとしていますよね。これが回折現象です。絞り過ぎると解像感が低下してしまいます。
細かなことですが気になります。細部に神は宿ると言いますね。
なので、絞り過ぎずにF11くらいで、シャッタースピードを長くして撮影したいわけです。やはりこのためにはNDフィルターが必要になります。
では、NDフィルターを選ぶポイントについて見てみましょう。
まず、一番大事なのが「フィルター番号」です。
NDフィルターは「ND8」とか「ND64」のように、「ND(数字)」の形で表記されます。この数字がフィルター番号です。
そして、フィルター番号はNDフィルターの濃さを表しています。具体的に言うと、シャッタースピードを「フィルター番号」倍に遅くできます。
例えば、シャッタースピードが1秒の場合では、ND2なら2秒(1×2)、ND8なら8秒(1×8)、ND400なら400秒(1×400)のように、シャッタースピードを遅くできます。
撮影時のシャッタースピードにフィルター番号を掛けてあげれば、NDフィルターを使った時のシャッタースピードを計算できるわけですね。なので、フィルター番号が大きい方が減光効果が強く、よりシャッタースピードを遅くできます。
最初は分かりにくいかもしれませんが、表を作ってみました。
ND2 | ND4 | ND8 | ND16 | ND32 | ND64 | ND400 | ND1000 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1/4000秒 | 1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/10秒 | 1/4秒 |
1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/5秒 | 1/2秒 |
1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 0.4秒 | 1秒 |
1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 0.8秒 | 2秒 |
1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1.6秒 | 4秒 |
1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 3秒 | 8秒 |
1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 6秒 | 16秒 |
1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 13秒 | 33秒 |
1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 26秒 | 66秒 |
1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 50秒 | 125秒 |
ND400やND1000の減光効果はかなり高いですね。
ちなみに、こんな計算しなくても、スマホのアプリを使えば簡単に必要なシャッタースピードを教えてくれます。個人的にはNisiのアプリがおすすめです。
あと、NDフィルターは重ね付けもできます。その場合は、フィルター番号を掛けた効果になります。例えば、ND2とND8を重ね付けすると、ND16相当の減光効果になります(2×8)。
レンズにはレンズ径の表示があります。
レンズによって径が異なるので、これに合うNDフィルターを選びましょう。
ちなみに、レンズ径が大きくなるとNDフィルターも高価になっていきます・・・。
レンズが数本あり、フィルター径が異なる場合は、ステップアップリングを使う方法があります。
ステップアップリングを口径の小さなレンズに取り付けることで、口径の大きなフィルターを使用できるようになります。アダプターみたいなものですね。
なので、一番大きなレンズ径に合わせて、NDフィルターを購入すれば良いです。
NDフィルターの枠の厚みにも、普通枠のものと、薄枠仕様のものとがあります。
超広角での撮影や、フィルターの重ね付けをした際に、フィルターの枠が影として写り込むことがあります。
上写真の四隅の方に影ができていますね。これをケラレと言います。枠の厚みがあるために、それが写真に写り込んでしまっているわけです。
なので、広角レンズでの使用や、重ね付けを想定するのなら、薄枠仕様のNDフィルターを選ぶと良いです。ちなみに、Kenkoなどでは商品名に「W」と表記があれば、薄枠仕様となります。
とりあえずどんなものかNDフィルターを使ってみたいというのなら、まずはND16をおすすめします。
ND16くらいあれば、数秒程度のシャッタースピードを稼げます。なので、川、渓流、滝、海で水の流れを十分に表現できます。
これがND4やND8くらいだとやや効果が薄いことが多いです。使える幅が狭い。もう少し減光効果が欲しいところです。なので、ND16になります。
また、ND400やND1000など濃いNDフィルターになると扱いがやや難しくなります。ファインダーを見ても真っ暗ですし、AFなども使えないことが多いです。ND16くらいなら付けっ放しでも構図を決めたり、AFを使ったりもできます。
なので、とりあえずの1枚はND16がおすすめです。
もちろん、撮りたい写真があるのなら、それに見合ったNDフィルターを選びましょう。
先ほども書きましたが、水の流れを白糸のようにしたいのならND16がおすすめです。あるいはND32です。
シャッタースピードが数秒もあれば十分に流れを表現できます。
まずはこれを使ってみて色々と欲しいNDフィルターの濃さを探ってみると良いでしょう。
シャッタースピードを長くして、水面をスムーズにしたいのなら、ND400やND1000がおすすめです。どちらかというとND400の方がちょうど良い時が多いです。
シャッタースピードが30秒以上もあれば水面がスムーズになります。とても幻想的な写真に仕上がるのでおすすめです。
雲の流れをダイナミックに表現するには、多くの場合で1分以上のシャッタースピードが必要になります。
これにはND1000の濃いNDフィルターがおすすめです。使うのがちょっと難しいですが、うまく撮れると驚くような写真に仕上がります。ぜひチャレンジしてみて欲しい撮影です。
あと、これくらいの濃さなら明るい日中でもシャッタースピードを落とせます。なので、例えば、スクランブル交差点を歩く人の動きを、残像として表現することもできます。
アイディア次第で面白い写真が撮れそうですね。おすすめのNDフィルターです。
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