
Sony(ソニー)のミラーレスカメラまとめ。
この記事では風景を3レイヤー(層)に分けて構図を作る方法について書いています。
風景写真はややもすると奥行き感が失われ、平板になってしまうことが多いですが、3レイヤー(層)で構図を決めれば、これを防げます。
慣れれば簡単な方法ですし、非常に効果的なのでオススメです。
目次 ▽△
写真は2次元なので、前後の距離感を表現することが苦手です。
なので、人の目ならどんな風景でも奥行きを感じられますが、写真だとどうしても平板になってしまうことが多いです。
この場に居れば壮大な広がりを感じられる風景ですが、写真だとどうしてものっぺりしてしまいます。平面的です。
こうした写真の欠点を補う一つの方法として、3レイヤーで構図を組み立てる方法があります。
つまり、風景を層に分け、そして重ねることで、前後の距離感を認識し易くし、結果的に写真に奥行きを表現することが可能となるわけです。
イメージはこのような感じです。こうすれば写真に奥行きが生まれやすい。
では、具体的に3レイヤーで構図決を決める方法を見てみましょう。
前景は一番手前側の部分です。ここには2つの役割があります。
まず、一つは上記した距離感の表現です。写真を見ている人に「手前側」を意識させることで、その後ろに続く中景・遠景との距離感を認識させます。
次に、立ち位置の表現です。前景は視線のスタートポイントとなる場所。つまり、写真を見ている人が、あたかもそこに立っているかのように感じさせる役割が前景にはあります。なので、風景を目の前にしている時に、視界の下の方に入っているものをイメージすると良いかと思います。
前景は非常に重要な部分です。
前景に適したものとしては、ちょっと目に止まりやすいものです。光が当たっている部分や、ゴツゴツした岩、ふわふわとした雪面、しっとりとした葉っぱ、など質感の豊かなものが良いかと思います。あとは色や形がちょっと変わったものですね。
撮影する際は、自分の周囲をよく観察し、前景となるものを見つけるようにしましょう。
中景は前景と遠景の間の部分です。
ここに主題となるものを配置することが一番多いかと思います。
主題とするものの前後を、前景と遠景で挟むイメージです。
遠景は一番遠い部分で、背景となる部分です。これがないと写真に奥行き感が上手く出ませんし、写真の印象を大きく左右する部位なので、遠景選びも重要です。
遠景には朝夕で焼けた空、遠くに見える山並みや町並みなど多くのパターンがあります。しかしながら、あまりごちゃごちゃしたものは避けた方が良いでしょう。余計なものが多すぎると主題がぼやけてしまいます。
また、遠景は天候によっても大きく左右されるので、自分のイメージとなるようタイミングを見図りたいところです。
ということですが、言葉で説明しても分かりにくいので、いくつか例を示したいと思います。
まずは新緑と雲海の綺麗なこの写真。
前景には光が当たり鮮やかに見える新緑。これを手前側に配置しています。実際にここに立つと、視界の下にこの部分が見えます。
そして、中景に森の上に架かる橋を写しています。これが主題です。遠景には雲海とそこから頭を出す山を写すようにしています。
色分けするとこのような感じですね。
3レイヤーに分けられていることで、奥行きがしっかり伝わります。ちなみに、この場合は遠景が特に大切だと思っています。
試しにPhotoshopで遠景を消してみましょう。
平板なイメージになり、またスケール感も失われます。このように遠景も大切な要素です。
次に、朝靄に包まれた草原の中の一本木の写真。
前景にはウェット感のある草を写しています。また、これをややボカすことで、草原の中に立っている雰囲気を表現しています。立ち位置の表現です。
中景には大きな一本木。これが主題です。遠景には靄のかかった日の出前の美しいグラデーションの空を写しています。山のような強いインパクトはありませんが、前景がしっかりしているので遠近感は十分に出ているかと思います。
色分けするとこのような感じです。
3レイヤーにしっかり分けられています。
最後は雪山と天の川。
前景には雪面に残った足跡を選びました。このラインが中景の雪山に収束することで、視線が前後に動き、より奥行きを感じられるようにしています。
そして、遠景は星空で、これが主題となっています。このように遠景が主題のパターンもあります。
色分けするとこうですね。
特にリードライン(視線を導く線)を意識するのは、広角レンズを使った撮影では重要。前景や中景にこうしたラインを入れるのは非常に効果的です。
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