
Photoshopで画像をシャープにするフィルターの使い方(アンシャープマスク、スマートシャープ、ぶれの軽減など)。
風景写真を撮る場合、とりあえず風景が綺麗な場所に行くことが多いかと思います。
ただ、目の前に広がる景色は素晴らしいのに、そこで写真を撮ると何だかパッとしないことがあります。あるいは、どのように写真を撮って良いのか分からないということもあるでしょう。
そこで、どのようにして目の前に広がる風景を、写真に落とし込めば良いのか・・・。この記事ではその方法について書いています。
目次 ▽△
目の前に美しい風景が広がっていたら、まずはじっくり眺めて主題を見つけます。
主題は写真のメインポイントとなるもので、自分が面白いと思ったもの、自分が美しいと思ったものなどです。
「自分が・・・と思った」という自分の視点が重要で、この視点があるからこそ風景をそのまま写したのではなく、また他の人の写真とは違った魅力を与えることができます。
また、主題が見つかれば、それに添える副題も自然に見つかってきます。なので、主題選びはとても大切です。
ただ、写真映えするよう主題を見つけるのもなかなか難しいです。
ということで、主題探しのヒントとなるポイントを例として挙げてみます。
まず、特徴的な形のもの、変わった形のものがないか、風景の中から探してみましょう。
例えばこれです。
無数に生えている木々の中で、この木だけが湖上に迫り出しており特徴的だと思いました。また、湖面を漂う朝霧も幻想的で目を惹きます。
なので、この木を主題、朝霧を副題として写すことにしました。
これも。
新緑の季節で曇りの日の撮影でした。沢沿いを歩き風景を眺めていると、湿ったフキの葉が大きく広がっている姿が目を惹きました。エネルギーに満ちみちています。なので、これを主題に。あとは沢の流れを副題に添えることにしました。
このような感じで、特徴的な形のもの、変わった形のものがないか、風景をよく観察していけば、写真の主題にできるものが見つかりやすいです。そして、その流れで副題も見つかるはずです。
光も写真の主題になります。
特に、明暗さ(コントラスト)がついている部分を探してみましょう。
雪山を歩いていると、斜めから差し込む光が雪面を照らし、独特の影を作り上げていました。この美しいコントラストを主題に。また、木々の影やスキーの軌跡も目に留まったので、これを副題に添えました。
もし、これが曇りや順光で影がなければ、ただのフラットな雪面になってしまい被写体になりません。この写真は斜光の美しいコンラストを撮影したと言えます。
次に、この写真。
目の前には雲海が広がっていました。その雲海の縁の部分に朝陽が当たり、木々の影がコントラストを作り上げています。この部分が特に美しいと思い、主題として望遠レンズで切り取りました(光を見せたいのでモノクロにしています)。
確かに雲海も綺麗ですが、それをそのまま写してしまうと、ただの雲海の写真で誰が撮影しても変わりありません。この場合は、光(コントラスト)に着目して自分の写真としています。
最後にこれ。
有名な青い池の写真ですが、草木に光が当たることで鮮やかに輝いて見えます。これは光が当たるのを待って撮りました。
もしコントラストがなければ、フラットな印象になってしまい面白味がありません。この写真では光が重要な要素となっています。
このような感じで、光が当たりコントラストが出来ている部分に着目すれば、素晴らしい主題を見つけられる可能性があります。
あとは色に着目する方法もあります。
例えばこれです。
これも雲海の写真ですが、朝陽の周囲が赤く染まり美しいと思ったので、望遠レンズを使いその部分を切り取りました。
全体を写すのではなく、色の鮮やかな部分だけを写すことで印象が増したと思います。
これはビーナスベルトと呼ばれる現象を写しました。淡く包み込むピンク色に着目しています。この色がなければただの雪山で、写真として面白みが欠けてしまいますね。
ということで、色に着目しそれを主題とする方法もあります。
ちなみに、この記事では3つ例をご紹介しましたが、着目すべき点は他にも色々とあります。
いずれにせよ、その風景をじっくり観察して自分が面白いと思える部分を見つけるのが重要です。これを写真に組み入れることで見たままの風景写真ではなく、自分の視点や考え方を表現した風景写真とすることができます。
主題が見つかれば、今度はそれを軸に具体的な構図を作っていきます。
最も基本的ですが、とても大事です。
水平垂直が決まっていないと、それだけで不安定になります。
水平垂直が決まれば、構図の安定感も増し見栄えが良いです。
なので、カメラの水準器などを使い、しっかり水平垂直になるよう心掛けましょう。
画面に色々なものがゴチャゴチャと写っていると、何を写したいのかが分からなくなってしまいます。また、主題に目線が集まりにくくなり、写真全体の印象が弱くなります。
なので、写真の要素は主題と副題の2つか3つくらいになるよう、シンプルに画面を整理するようにしましょう。写真は引き算です。
画面を整理する方法は、アングルを変えたり、画角を変えたりと様々な方法があります。ちなみに、広角ほど余計なものが写りやすいので画面の整理が難しい傾向です。望遠は写る範囲が狭いので画面の整理が比較的簡単です。
デッドスペースは意味を成さない無駄な空間のこと。
これがあると写真が散漫な印象になりやすいです。
この写真の場合は、上の空の部分と下の地面の部分が、不要に広すぎに思います。なので、もっと画角を狭めても良いでしょう。
ただ、自分でデットスペースを見つけるのはなかなか難しいです。上の写真も撮影当時はよく撮れたと思っていました。後から見てようやくデッドスペースだと気がついた感じです。
なので、撮影時は必要なスペースなのかどうか、よく考えるように心掛けましょう。もしそれがデッドスペースなら構図を変えるか、画角を狭めてカットします。また、レタッチでトリミングしても良いでしょう。
自然には何となくラインがあります。
例えば、川や山の稜線はわかりやすいラインです。また、草の生える方向、影の方向、岩の配置の具合などにより、明確な線でなくてもラインを感じ取ることができます。
そして、このラインに沿って人の視線は導かれます。
この写真では雪面にできた風紋にラインを感じます。なので、そのラインが左下から右上に流れるよう意識し、またラインの先に人を配置しました。このラインに沿って視線が前後に動き、より写真に奥行きを感じ取りやすくなります。
このように、自然の中にあるラインと探し、その方向を意識して構図を作っていくと良いです。
最後に全体のバランスについてです。
写真には部分によって重さのようなものを感じます。大きく写っているものは小さく写っているものよりも重く感じます。また、淡い色のものは濃い色のものよりも軽く感じる。他にも色々ありますが、これらを合わせた重心が写真の中心に来るようにします。
これは感覚的なことなので言葉にするのが難しいですが、例えると「写真の真ん中に糸を付けて吊り下げた時に水平を保てるか」という感じです。
このようなイメージですね。これが決まっていると写真に安定感が出ます。
なので、何通りか微妙に構図を変えて行き、重心が写真の中心に来るよう調整していくと良いでしょう。
では、具体的に例を見てみたいと思います。
北海道にある旭岳という山での一コマ。
真っ白な雪山に、幸運にも日傘が出現していました。この日傘を主題とすることに。
上はその場でただ写しただけの写真です。これでは風景写真の出来前としはイマイチなので構図を組み立てて行きます。
辺りをよく観察します。
そうするとシュカブラと呼ばれる風紋を見つけることができました。これも写真の要素に組み込むことにします。
シュカブラを下に写し込み、三分割構図を使い地上と空を写します。最初よりはそれっぽくなりましたが、まだイマイチです。
問題点は以下の通り。
まず、左右のスペースが広くデットスペースになっているように思います。それから風紋の並んでいるラインが弱く、活かしきれていないように感じます。
なので、今度は縦構図にし左右のデッドスペースをカット、さらにハイアングルにすることで手前から奥に続くラインを強調します。
そうするとスペースに無駄がなくなり、また風紋のラインも手前から奥の雪山まで続くようになりました。全体のバランスも問題ありません。
以上、一例でしたがこのように自分の目でよく観察し、それを活かすよう構図を決めていくと、風景写真は見違えるようになります。
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