絞り(F値)とは!?絞り(F値)と被写界深度の理解を深め、シーンに応じたF値を使い分けよう。

記事内容

この記事では絞り(F値)の2つの機能である露出とボケついて書いています。

また、被写界深度についての理解を深め、具体的にどう写真に活かすことができるのか、またシーン別にF値をどう設定すれば良いのか解説します。

また、最後に絞りに関しステップアップ記事も載せているので、更に知識を深めることができます。

絞り(F値)を自在に扱えるようになれば写真がぐっと良くなり撮影も更に楽しくなります。

目次 ▽△

絞り(F値)の役割

露出(光の量)のコントロール

そもそも絞りとはレンズの中にある絞り羽根の集まりです。

絞り(F値)と被写界深度

上の画像がレンズの中にある絞りです。絞り羽根と呼ばれる羽が複数枚重なることで出来ています。これが開いたり閉じたりすることで入ってくる光の量を調整します。人の目でいう瞳孔(どうこう)みたいなものです。

ちなみに、この絞り羽根によって写真の写り方が違うことがあります。これに関しては下の記事を参考ください。

F値(絞り)による画質や光条の変化について知ろう!風景写真でベストなF値とは。

絞りは開いている方が一度に多くの光を取り込むことができ、逆に閉じていれば入る光の量は少なくなります。人の瞳孔と同じ機能ですね。

そして、絞りの開き具合を数値化したものがF値です。絞りが開いている方がF値は小さくなり、一方で絞りが閉じている方がF値は大きくなります。

絞り(F値)と被写界深度

このような感じですね。F値は数字を小さくした方が通る光が多くなり、逆に数字を大きくした方が通る光が少なくなります。こうして写真の明るさをコントロールするわけです。

あと、絞りは基本的に「F1.0、F1.4、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0、F11、F16、F22・・・」という順番で刻まれます。これに関しては下の記事を参考にしてください。

露出について「段」を解説。「段」を理解してカメラを自在に操ろう。

ボケのコントロール

絞り(F値)は露出(光の量)をコントロールする他に、ボケ具合もコントロールします。

実は、F値を小さくした方がボケ具合は大きくなり、逆にF値を大きくすればボケ具合は小さくなります。

では、具体的に見てみましょう。

絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度

ピントは3番目のビンに合わせ、絞りはF1.4、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0、F11、F16の順番で大きくしています。

上の画像を見るとF値が小さい時はボケが大きく前後がとろけているようですが、F値を大きくするに連れてボケが少なくなり、F16では奥側がはっきりしています。

絞り(F値)と被写界深度 絞り(F値)と被写界深度

ボケ具合が全然違いますね。

このように、

  • F値小さい・・・ボケが大きい
  • F値大き・・・ボケが少ない

という関係が成り立ちます。

ただし、ボケの量はF値だけでコントロールされる訳ではありません。焦点距離や被写体との距離など様々な要因が重なりボケ具合が決まります。詳しくは次の記事を参考ください。

ボケを大きくするコツ!ボケの4要素を知ってボケをコントロールしよう。

次に、ボケに関連する被写界深度についてです。

被写界深度について

被写界深度とは

被写界深度(ひしゃかいしんど)はよく使われる写真用語です。「ひしゃたいしんど」ではないのでご注意を。

これはピントの合っている範囲を表す言葉です。

例えば、下画像はF22で撮影したボケの少ない写真ですが、「ボケが少ない=ピントが合っている範囲が広い」と言い換えることができます。

絞り(F値)と被写界深度

このピントが合っている範囲が広い状態を「被写界深度が深い」という言い方で表します。F値を大きくした方がボケが少なくなるので被写界深度が深くなります。

逆にF1.4で撮影したボケの多い写真。

絞り(F値)と被写界深度

これはピントの合っている範囲が狭いです。この状態を「被写界深度が浅い」と言います。F値を小さくした方が被写界深度はより浅くなります

  • F値小さい・・・被写界深度が浅い
  • F値大き・・・被写界深度が深い

このようになります。

なんとなくカメラ用語を使うとかっこいいですね。

被写界深度の広がり方

被写界深度をピントの合っている範囲のことと解説しましたが、このピントの合っている範囲の広がり方にはクセがあります。

それは手前側に約1/3、奥側に約2/3で広がるということです。図で示すとこのようになります。

絞り(F値)と被写界深度

ピント位置から後ろ側の方が2倍くらい広くピントが合うということですね。

豆知識みたいなものですが知っていると後々役に立ちます。

例えば、全体にピントを合わせたいなという時に、F値を大きくして画面手前から約1/3の位置にピントを合わせれば、無駄なく全体にピントをあわせやすくなります。

ピントは点でなく面である

これも豆知識ですがピントは点ではなく面で合います。ピントのことをよくピント面と表現することがありますね。

なので、ピントを合わせたモノと同じ距離にある別なモノにもピント合うことになります。

絞り(F値)と被写界深度

こういうこと。

これも知っていると何かと役に立ちます。

被写界深度をコントロールすることで何ができるのか

被写界深度をコントロールすることは、ボケをコントロールすることでもあります。これにより写真の表現を様々に変えることが可能です。

ちなみに、カメラは絞り優先オートを使うと良いです。以下の記事を参考にしてください。

まずは絞り優先オートがオススメ!絞り優先オートを使って好みの写真を撮ろう。

主題をはっきりさせる

何気なしに撮影をしていると、何を撮りたかったのか分かりにくい写真になってしまうことがありますよね。

これは撮りたいもの(主題)の他に余計なものがゴチャゴチャ写ってしまうことが一つの原因です。

こんな時は被写界深度を浅くすることで、撮りたいもの(主題)にだけピントを合わせ、その他を大きくボカします。

絞り(F値)と被写界深度

そうすることで撮りたいもの(主題)が強調され伝わる写真になります。全てにピントが合っていると、結局何をメインに見せたいのかよく分からなくなってしまうところです。

写真は引き算と言いますが、まさにこれです。

奥行きを表現

手前側のボケ、後ろ側のボケをうまく利用すると、距離感の前後関係が分かりやすくなります。

そうすることで写真に奥行きが表現されます。

絞り(F値)と被写界深度

前後にボケがあることで自分が覗き込んでいるかのような奥行きが生まれる。

最初は難しいかもしれませんが、コツを掴むとグッと写真が良くなります。

全体をはっきり伝える

風景写真などでは全体をしっかり見せたい場面も多いです。

そんなん時はF値を大きくすることで被写界深度を深くします。

絞り(F値)と被写界深度

手前から奥まで目の前にある風景をそのまましっかり表現することが可能となります。

全体にピントが合っていることをパンフォーカスと言いますが、これはしっかり絞って画面手前から約1/3の位置にピントを合わせれば、割と簡単に撮影できます。

絞り(F値)は幾つに設定したら良いのか、シーン別に解説

とにかく大きくボカしたい、手ブレの危険性が大きい → F1.4〜F2.8に設定

とにかく大きくふわっとボカしたい時はF値はできるだけ小さくした方が良いです。この場合はF2.8以下がふわっとボケて良い。

レンズで最も小さくできるF値のことを開放F値と呼びますが、単焦点レンズなら開放F1.4やF1.8、高価なズームレンズで開放F2.8というものがあります。高性能なレンズほど開放F値が小さくできる傾向にあります。

また、室内などの薄暗い場所で手ブレの危険性が高い場合も、F1.4〜F2.8で光をたくさん取り込み、シャッタースピードが早くなるようにすると良いです。

スナップ写真など気軽に撮影したい → F4〜F5.6に設定

F1.4〜F2.8は被写界深度が浅いのでピント合わせが難しい場合があります。F1.4やF1.8はピント面が非常に薄く、すぐにピントが外れてしまう。一方で、F4〜F5.6ならそこそこのボケで、ある程度の被写界深度も確保できるので、ピント合わせはそんなにシビアではありません。また、シャッタースピードも比較的早く手ブレの心配も少ないです。

なので、気軽に撮影したいスナップ写真などに向いています。

ちなみに、キットレンズの開放F値がだいたいF4〜F5.6くらいです。

風景写真で全体をシャープにしたい → F8〜F11に設定

風景写真では被写界深度を深くし全体にピントを合わせることが多いです。

その場合、しっかり絞りF値を大きくします。ただし、F値を大きくし過ぎると回折現象というものが起きシャープさが低下します。詳しくは一番下の関連記事記事を参考ください。

なので、被写界深度を十分深くしつつ、画質的にも良いF8〜F11がベストとなります。もちろん、ケースバイケースなのでこれ以上絞ることもありますが。

ただし、F8〜F11まで絞るとシャッタースピードが遅くなり、手ブレの危険性が出てくるので三脚が必要になることもあります。

手前から奥までピントを合わせたい、光条件を綺麗にしたい、スローシャッター → F13〜F22

カメラのすぐ近くから奥側までピントを合わせたい場合、この時はF8〜F11では被写界深度が足らないことがあります。この場合は更に絞りF13〜F22で撮影します。

また、太陽を入れた撮影や夜景の撮影で光条を綺麗にしたい場合も、ある程度しっかり絞る必要があります。これでウニウニとした綺麗な光条になる。ちなみに、光条については一番下の関連記事を参考ください。

あとは、スローシャッターで動きを出したい時も、しっかり絞りシャッタースピードを遅くしてあげます。この時にF13〜F22を使うことが多いです。

まとめ

  • 絞り(F値)は露出とボケをコントロールする
  • 被写界深度はピント範囲のこと
  • それぞれのシーンに適した絞り(F値)がある

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