「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」の詳細情報と「E-M1 Mark II」、「E-M5 Mark III」との違い
目次
メーカー概要
比類なき機動力と高画質があらゆる環境で思い通りの撮影を可能にする。オールラウンドプロフェッショナルモデルOM-D E-M1 Mark III
引用:オリンパス製品情報
「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」の特徴と先代モデル「E-M1 Mark II」の違いについて
「E-M1 Mark III」の立ち位置について
ミラーレス
ハイエンド
「E-M1 Mark III」はOM-Dシリーズのハイエンドモデルです。下位機と比べて、機能や性能が強化されており、プロでも十分使えるカメラになっています。ちなみに、2016年に発売された「E-M1 Mark II」の後続モデルとして、2020年に発売されました。
「E-M1 Mark III」のボディーについて
質量580g
防塵防滴○
手ぶれ補正○
タッチパネル○
モニターチルト式
水準器○
フラッシュ内蔵:×
「E-M1 Mark III」は重さ580gです(先代モデルは574g)。マイクロフォーサーズのカメラにしては重いですが、マグネシウム合金製で堅牢、またグリップも大きく握りやすくなっている。また、強力な防塵防滴・-10℃耐低温設計なので、過酷な環境下で撮影するプロ写真家のニーズに応えられる、高い信頼性を実現しています。
ちなみに、防滴性能は保護等級1級(IPX1)を保証とのことで、これは「鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない」とされます。雨程度なら問題ないという感じでしょうか。
スロットは、ダブルスロットです。

2枚のメモリーカードを使い分けしたり、バックアップを取ることも可能。1つのスロットはUHS-IIとUHS-Iに対応し、もう1つはUHS-Iに対応しています。これは先代モデルと同じ。
ファインダーについは、倍率1.48倍(換算0.74倍)で約236万ドットとなっています。フレームレートは120fpsに向上しているので、滑らかで見やすい。モニターは2軸で可動するチルト式で、より自由度が高いです。これも先代モデルと同じ。
「E-M1 Mark III」はボディ内5軸手ぶれ補正を搭載しています。効果はボディー単体で最大7段、対応レンズを使用した5軸シンクロ手ぶれ補正で最大7.5段という驚異的な性能です。ちなみに、先代モデル「E-M1 Mark II」はボディー単体5.5段分、シンクロ6.5段でした。

これによりシャッタースピード4秒の手持ち撮影でも手ぶれの発生を抑えた撮影が可能とされます。暗所や超望遠でも三脚を使う必要がなく、撮影の自由度が格段に上がる。
それから暗いシーンでも被写体を確認して撮れるように、ライブビュー映像の明るさを調整する「LVブースト」も使用可能です(先代モデルも可能)。

星や夜景の撮影に威力を発揮します。
「E-M1 Mark III」にあり先代モデル「E-M1 Mark II」にはない機能として「ライブND」があります。

これは複数の画像を合成して疑似的に露光時間を延ばす機能で、NDフィルターを使わなくても、スローシャッター効果を使った表現が簡単に得られます。効果の段数はND2(1段分)~ND32(5段分)の5段階あり、風景写真家なら嬉しい機能ですね。
「E-M1 Mark III」のセンサーについて
有効画素数2037万画素
ISO感度200- 25600
TruePic IX
「E-M1 Mark III」は有効画素数2037万画素のセンサー搭載しています。マイクロフォーサーズではトップクラスの画素数で繊細感があります。これは先代モデルと同じ画素数です。画像処理エンジンは「E-M1 Mark III」の方が新しい。
また、「E-M1 Mark III」は「手持ちハイレゾショット」と「三脚ハイレゾショット」に対応しています(先代モデルは「三脚ハイレゾショット」のみ)。
「手持ちハイレゾショット」は16回の撮影で得られた3億2000万の画素情報を使って約5000万画素の高解像写真を生成する機能です。移動の多い山岳や三脚を利用できない場所でも、手持ちで超高解像写真を撮影可能で、解像感が上がるだけでなく、高感度ノイズも減らすこともできます。
ちなみに、「三脚ハイレゾショット」は三脚を使用しての撮影になり、「手持ちハイレゾショット」とは違います。
「E-M1 Mark III」の連写性能について
メカ15コマ/秒
電子60コマ/秒
「E-M1 Mark III」の連写は最高15コマ/秒です(メカシャッター使用でAF/AE固定時、AF/AE追従は10コマ/秒)。さらに、電子シャッターを使うと最高60コマ/秒まで速くなります(AF/AE固定時、AF/AE追従は18コマ/秒)。60コマ/秒なら、ほとんど動画のような連写で、被写体の一瞬も逃しません。ちなみに、これは先代モデルと同じ性能です。
連続撮影可能枚数は約101コマ(RAW、15コマ/秒時)なので、連写も止まりにくいです。ただし、最高60コマ/秒だと約50コマ(RAW)になるので、あっという間にバッファーが一杯になります。これも先代モデルと殆ど同じ。
さらに、「プロキャプチャーモード」にも対応しています。これはタイムラグが原因で撮り逃していた決定的瞬間を記録できる機能です。シャッターを半押ししていてる間、バッファメモリに画像を仮保持しておき、シャッターを切った瞬間の最大35コマまでさかのぼって記録可能になります(RAW撮影にも対応)。決定的瞬間に反応が遅れてしまっても、ちゃんと撮影できている可能性が高まる。ちなみに、先代モデルも対応しています。
連写性能については「E-M1 Mark III」と先代モデル「E-M1 Mark II」はほぼ同じ性能のようですね。
「E-M1 Mark III」のAF性能について
AFポイント121点
「E-M1 Mark III」は121点オールクロス像面位相差AFセンサーを備えています。

縦75%、横80%の測距エリアにより、被写体を広範囲に捉える。もちろん、「タッチAFシャッター」や「瞳優先AF」も可能です。これも先代モデルと同じ性能なようです。
ただし、測距輝度範囲については「E-M1 Mark III」はEV -3.5〜20、「E-M1 Mark II」はEV -2〜20なので、「E-M1 Mark III」の方が暗所に強いです。また、「E-M1 Mark III」は星AFが使えるようですね(先代モデルは不可)。
「E-M1 Mark III」の動画性能とネットワークについて
4K動画○
フルHD○
Wi-Fi○
Bluetooth○
「E-M1 Mark III」は4K 30p、Cinema4K(C4K) 24pの4K動画記録に対応です。4K記録時は102Mbps、Cinema4K(C4K)記録時は237Mbpsの高ビットレート記録が可能。連続最大29分まで。これは先代モデル同じです。ただし、「E-M1 Mark III」のみ120fps(1920x1080)のハイスピードムービーを撮影できます。
また、「E-M1 Mark III」はBluetoothとWi-Fiを内蔵しています(先代モデルはWi-Fiのみ)。スマホアプリOlympus Image Share(OI.Share)を使い、カメラとスマホを手軽に接続し、撮った写真をスマホに取り込むことができます。
「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」と上位機「E-M1X」との違い
上位機である「E-M1X」との主な違いは以下の通りです。
- ボディー
- AF性能
- バッテリーライフ
ボディー
「E-M1 Mark III」は580gなのに対し、「E-M1X」は997gで、圧倒的に上位機である「E-M1X」の方が重いです。それだけより堅牢で防塵防滴性能も高くなっています。「E-M1X」は「縦位置グリップ一体型形状」でかなり大きいです。
また、「E-M1X」のファインファー倍率は1.65倍(35mm判換算で0.825倍)で広く見やすいです(「E-M1 Mark III」は1.48倍)。
AF性能
「E-M1X」は「インテリジェント被写体認識AF」を採用しています。これにより「E-M1X」はディープラーニング技術(AI機能)を活用することで、被写体の自動検出性能が向上しています。「E-M1 Mark III」はこれに対応していません。
バッテリーライフ
「E-M1 Mark III」のバッテリーライフは420枚(低消費電力撮影モード時:約900枚)でしたが、「E-M1X」は約870枚(低消費電力撮影モード時:約2580枚)です。
「OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III」と下位機「E-M5 Mark III」との違い
下位機である「E-M5 Mark III」との主な違いは以下の通りです。
- ボディー
- 連写性能
- バッテリーライフ
ボディー
「E-M1 Mark III」は580g、「E-M5 Mark III」は重さ414gです。上位機「E-M1 Mark III」の方が重いですが、「E-M5 Mark III」はプラスチック製で、シングルスロットになっています。
連写性能
「E-M1 Mark III」はメカシャッターで15コマ/秒の連写でしたが、「E-M5 Mark III」は10コマ/秒です。
バッテリーライフ
「E-M1 Mark III」は420枚(ファインダー使用)ですが、「E-M5 Mark III」のバッテリーライフは約310枚(ファインダー使用)です。「E-M1 Mark III」の方が1.4倍長持ち。
ライバルカメラ
仕様
参考リンク
基本仕様
タイプ | ミラーレス |
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マウント | Mフォーサーズ |
寸法 | 約134.1mm(W)×90.9mm(H)×68.9mm(D) |
質量(バッテリーとメモリカードを含む) | 約580g |
防塵防滴 | ○ |
ボディ内手ブレ補正 | ○(5軸手ブレ補正) |
水準器 | ○ |
内蔵フラッシュ | ○ |
バッテリー寿命 | 標準:420枚 / 低消費電力撮影モード:900枚 |
センサー
センサーサイズ | フォーサーズ |
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センサー備考 | - |
有効画素数 | 約2037万画素 |
ローパスフィルター | ローパスフィルターレス |
画像処理エンジン | TruePic IX |
静止画記録形式
記録メディア | SD、SDHC(スロット1はUHS-II対応) |
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画像ファイル形式 | JPEG、RAW(12bitロスレス圧縮)、JPEG+RAW |
記録画素数 | RAW: 5184 x 3888 / JPEG: 5184 x 3888 ~ 1024×768 |
スロット数 | ダブルスロット |
オートフォーカス
AF方式 | ハイスピードイメージャAF |
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フォーカスポイント | 121点 |
検出範囲 | 低輝度側(-3.5 EV) / 高輝度側(20 EV) |
フォーカス備考 | 瞳AF・星AF |
シャッター
シャッター形式 | 電子制御フォーカルプレーンシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター、静止画フリッカースキャン |
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シャッタースピード | 電子:1/32000~60秒、 電子先幕:1/320~60秒、 メカニカル:1/8000~60秒 |
連写速度 | メカシャッター: 約15コマ/秒(AF/AE固定)、メカシャッター: 約10コマ/秒(AF/AE追従)、電子シャッター: 約60コマ/秒(AF/AE固定)、電子シャッター: 約18コマ/秒(AF/AE追従) |
連続撮影可能枚数 | RAW:約101コマ(約15コマ/秒時) |
露出制御
撮影感度 | 200 - 25600 |
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測光方式 | - |
測光モード | 324分割デジタルESP測光、中央部重点平均測光、スポット測光、スポット測光ハイライト / シャドウ |
ファインダー
ファインダー形式 | アイレベル式液晶ビューファインダー/約236万ドット |
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視野率 | 100% |
倍率 | 約1.48倍(35mm判換算で0.74倍) |
モニター
可動・タッチパネル | タッチパネル対応、チルト式 |
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画面サイズ/ドット数 | 3.0型/約104万ドット |
動画撮影
4K | C4K(4096x2160)24p、4K(3840x2160)30p |
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フルHD | フルHD(1920x1080) 60p |
ネットワーク
WI-Fi | ○ |
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Bluetooth | ○ |
その他
使用可能温度 | -10℃ ~+40℃(動作時) |
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使用可能湿度 | 30~90%(動作時) |
発売日 | 2020-02-28 |