「CANON EOS 9000D」の詳細情報とX9i、X10、90Dとの違い。
目次
メーカー概要
上位機種の風貌を備えたプレミアムエントリーモデル。画質、オートフォーカス性能の全面進化と、本格的な操作性を実現しています。
引用:キヤノン製品情報
「CANON EOS 9000D」の特徴について
「EOS 9000D」の立ち位置について
一眼レフ
エントリー
「EOS 9000D」はプレミアムエントリー機という位置付けになっています。エントリー機の中で最上位という感じですね。特に操作性については、ミドルクラス機と比較しても遜色はありません。
ちなみに、「EOS X9i」が兄弟機という位置付け、上位モデルには「90D」がラインナップされています。
「EOS 9000D」のボディーについて
質量540g
防塵防滴×
手ぶれ補正×
タッチパネル○
モニターバリアングル
水準器○
フラッシュ内蔵:○
「EOS 9000D」は中級機と同様に、右肩に表示パネル(サブ影響)が採用されています。他のエントリー機にはこれがありません。

シャッター速度、絞り、ISO感度、撮影可能枚数、露出補正量をはじめとした各種撮影設定を、一目でチェックすることが可能です。
さらに、メイン電子ダイヤルとサブ電子ダイヤルの2つのダイヤルがあります。

くるくると回すだけで、すばやく設定を変更することができる。これも他のエントリー機は1つしかありません。
あとはAF-ONボタンも採用されている。

このボタン単体でオートフォーカスの役割を担うことができるので、自由度の高い撮影が楽しめます。さらに、AF停止やAFロックなどの好みの動作を指定することも可能です。
このように9000Dは中級機と同様にカメラを操作することが可能です。そして、嬉しいのがライブビュー撮影時に、電子水準器を表示可能なことです(ファインダーでも表示は異なりますが表示可能)。このクラス以上のカメラから搭載されています。

これがあると本当に便利。ただし、防塵防滴ではありません。この点がエントリークラスということですね。
「9000D」のセンサーについて
有効画素数2420万画素
ISO感度100-12800
DIGIC 7
「9000D」は2420万画素のセンサーを搭載しています。自社開発・自社生産ということですが、実際のところはソニーやニコンとはやや遅れを取っている印象です。しかしながら、それでも十分に高画質。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、これは最新ではありません。
「9000D」の連写性能について
最高連写6コマ/秒
「9000D」の連写は6コマ/秒です。そこそこ速いと言えるでしょう。バッファーについても約21枚(RAW)ということなので、多いとは言えませんが、必要十分な性能かと思います。ですが、さすがに中級機には劣ります。
「9000D」のAF性能について
AFポイント45点
「EOS 9000D」は45点のAFセンサーを搭載。ファインダー内の広範囲に配置されているので、画面の端にいる被写体へのピント合わせがよりスムーズ、また全てクロスセンサーという精度の高いセンサーになっているので、AF追従性も向上し動きまわる子どもにも一瞬でピントを合わせられます。また、低輝度限界性能はEV-3なので暗所でのAFも良好。中級機と同様のAF性能となっています。ライブビュー撮影でもキヤノン独自の「デュアルピクセル CMOS AF」により非常に高速です。
「EOS 9000D」の動画性能とネットワークについて
4K動画×
フルHD○
Wi-Fi○
Bluetooth○
「EOS 9000D」はフルHD(1920x1080)60pでの動画撮影が可能です。最長記録時間は29分59秒。
また、専用のアプリケーション「Camera Connect」を使用することで、BluetoothやWi-Fiを活用して、写真や動画をすぐにスマホへ転送することが可能です。
「EOS 9000D」と「EOS X9i」との違い
「EOS 9000D」と「EOS Kiss X9i」との違いは、外装(操作性)のみの違いとなっているようです。センサー性能、AF性能などの中身は同じ。
上記しましたが、「EOS 9000D」の右肩には表示パネル(サブ液晶)があります。一方で、「EOS Kiss X9i」にはありません(左がD9000、右がX9i)。

D9000はシャッター速度、絞り、ISO感度、撮影可能枚数、露出補正量をすぐに確認できるので視野性が良いです。
さらに、D9000は背面右下のサブ電子ダイヤルが追加されています(左がD9000、右がX9i)。

「EOS Kiss X9i」は「電子ダイヤル」がシャッターボタン上部に1つだけですが、「EOS 9000D」は2箇所に電子ダイヤルがあるので、より素早い操作が可能となっています。また、D9000は背面右上に「AF-ON」ボタンも追加されてる。
と言うように、X9iとD9000は、性能的には同じになっていますが、操作性の点で大きく異なっています。D9000の方がより本格的な使用に向いていますね。X9iはシンプルで簡単操作です。
「EOS 9000D」と下位機「EOS X10」との違い
下位機である「EOS X10」との主な違いは以下の通りです。
- 大きさ重さ
- 画像処理エンジン
- AF性能
- 連写性能
- 動画性能
9000Dの方が上位機ですが、発売時期が下位機であるX10よりも古いため、性能が逆転している部分があります。
大きさ重さ
9000Dは540gですが、X10は449gで、前者の方が91gほど重いです。実際に持ち比べると、91gの差は数字以上に大きく感じます。
そして、9000Dは約131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mm、X10は約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mmで、9000Dの方が一回りほど大きくなっています。
画像処理エンジン
9000Dは「DIGIC 7」ですが、X10は「DIGIC 8」を搭載しています。後者の方が新しい。9000Dは2007年発売、X10は2019年発売なので、その差ですね。最新の画像処理エンジンの方が、ノイズ処理やホワイトバランス調整などに優位と言われています。
AF性能
9000Dは45点のAFセンサーを採用、一方でX10は9点なので、上位機の9000Dの方がAF性能は良好。動く被写体にも強いです。ただし、これはファインダーを使った時で、モニターを使ったライブビュー撮影では状況が変わります。
ライブビューでのAF性能は下位機のX10の方が優れています。X10はセンサー面の横約88%・縦約100%のエリアでフォーカス可能、測距輝度範囲もEV−4~18ですが、9000Dは横約80%・縦約80%のエリアで、測距輝度範囲はEV−2~18です。X10の方は画面の広い範囲で、そして暗所でもAFが効きやすい。また、X10は瞳を検出してフォーカスすることも可能です。
ファインダーを使った撮影か、ライブビューでの撮影かで、AF性能が逆転するようですね。どちらをメインで使うか考えると良いでしょう。ただし、9000Dは電子水準器を使えますが、X10はこれが使えません。
連写性能
9000Dは6コマ/秒、バッファーも約21枚(RAW)ありますが、X10は5コマ/秒、バッファーは約10枚(RAW)です。9000DはX10よりも連写で息切れしにくくなっています。
動画性能
9000DはフルHDまでの動画撮影でしたが、X10は4K動画が撮れます。下位機ながら新しいX10の方が性能が良いですね。また、X10は4K動画から静止画を切り出すことも可能です(800万画素)。これも便利な機能かと思います。
「EOS 9000D」と上位機「EOS 90D」との違い
上位機である「EOS 90D」との主な違いついては、主要な点に絞ってまとめたいと思います。
- ボディの性能
- 画素数
- 連写性能
- AF性能
- 動画性能
ボディの性能
D90のボディは防塵防滴で気候耐性が高いです。雨や雪で濡れても安心して撮影できます。一方で、9000Dは防塵防滴ではないので、ある程度気を付ける必要があるでしょう。
また、ファインダーも90Dはプリズム採用で明るくクリア、視野率100%・ファインダー倍率0.95倍で広く見やすいです。一方で、9000Dはミラー採用でプリズムほど明るくクリアではありません。また、視野率95%・ファインダー倍率0.82倍なので、写真となる範囲が全て確認できず、またやや狭く見えます。
ただし、90Dは701gなのに対し、9000Dは540g程度なので、後者の方が軽量コンパクトです。
画素数
90Dが3250万画素なのに対し、9000Dは2420万画素なので、写真の解像感に差が出ます。画像処理エンジンも「DIGIC8」と「DIGIC7」で90Dの方が新しいので、ノイズ耐性などの違いもあるかもしれませんね。
連写性能
90Dは最高連写10コマ/秒(ライブビューでは11コマ/秒)なのに対し、9000Dは最高連写6コマ/秒(ライブビューでは3.5コマ/秒)なので、速度が倍程違います。上位モデルの90Dの方が高速連写で瞬間を逃しにくいです。
AF性能
オールクロス45点AFセンサー搭載という点は全て同じですが、ライブビューでのAF性能が大きく異なります。
90Dは画面の約88%×約100%の領域で、5481ポジションからAFエリアを選べAF可能、そして低輝度撮影限界性能はEV-5です。これに対し、9000Dは横約80%・縦約80%のエリアで、低輝度撮影限界性能はEV-2です。上位モデルの90Dの方がAFの自由度が高く、暗所にも強い。
また、90Dは瞳AFが使えますが、9000Dは使えません。
動画性能
90Dは4K動画に対応していますが、9000DはフルHDのみです。
ライバルカメラ
仕様
参考リンク
基本仕様
タイプ | 一眼レフ |
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マウント | EFマウント |
寸法 | 約131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mm |
質量(バッテリーとメモリカードを含む) | 約540g |
防塵防滴 | × |
ボディ内手ブレ補正 | × |
水準器 | ○ |
内蔵フラッシュ | ○ |
バッテリー寿命 | ファインダー撮影:常温(+23℃)約600枚/低温(0℃)約550枚 |
センサー
センサーサイズ | APS-C |
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センサー備考 | - |
有効画素数 | 約2420万画素 |
ローパスフィルター | あり |
画像処理エンジン | DIGIC 7 |
静止画記録形式
記録メディア | SD/SDHC/SDXCメモリーカード |
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画像ファイル形式 | JPEG、RAW(14bit、キヤノン独自) |
記録画素数 | L(ラージ) :2400万(6000×4000)画素、 M(ミドル) :約1060万(3984×2656)画素、 S1(スモール1) :約590万(2976×1984)画素、 S2(スモール2) :約380万(2400×1600)画素 、RAW(ロウ) :2400万(6000×4000)画素 |
スロット数 | シングルスロット |
オートフォーカス
AF方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
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フォーカスポイント | 45点 |
検出範囲 | EV-3~18 |
フォーカス備考 | - |
シャッター
シャッター形式 | 電子制御式、フォーカルプレーンシャッター |
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シャッタースピード | 1/4000~30秒 |
連写速度 | 最高約6.0コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | RAW:約21枚 |
露出制御
撮影感度 | ISO 100~12800 |
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測光方式 | 約7560画素RGB+IR測光センサーによる63分割TTL開放測光 |
測光モード | 評価測光、部分測光、スポット測光、中央部重点平均測光 |
ファインダー
ファインダー形式 | ペンタダハミラー |
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視野率 | 上下左右とも約95% |
倍率 | 約0.82 |
モニター
可動・タッチパネル | タッチパネル対応、バリアングル方式 |
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画面サイズ/ドット数 | 3.0型、約104万ドット |
動画撮影
4K | × |
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フルHD | Full HD(1920×1080)60p |
ネットワーク
WI-Fi | ○ |
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Bluetooth | ○ |
その他
使用可能温度 | 0℃~40℃ |
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使用可能湿度 | 85%以下(結露しないこと) |
発売日 | 2017-04-07 |