「CANON EOS Kiss X10」の詳細情報とX9、X9iとの違い。
目次
メーカー概要
小型・軽量が魅力の一眼レフKiss。映像エンジンDIGIC 8採用により、高性能なライブビュー撮影が可能です。
引用:キヤノン製品情報
「CANON EOS Kiss X10」の特徴について
「EOS Kiss X10」の立ち位置について
一眼レフ
エントリー
「EOS Kiss X10」はキヤノンのエントリーモデルに該当します。一眼レフながら軽量ボディが魅力。気軽にイチガン画質を楽しめるカメラになっています。また、カラーバリエーションもあるのでオシャレに持ち歩くこともできる。
ちなみに、「EOS Kiss X10」は2019年発売。旧モデルは2017年発売の「EOS Kiss X9」です。上位モデルには「Kiss X○i(○は数字)」がラインナップされている。
「EOS Kiss X10」のボディーについて
質量449g
防塵防滴×
手ぶれ補正×
タッチパネル○
モニターバリアングル
水準器×
フラッシュ内蔵:○
「EOS Kiss X10」は449gという軽量ボディです。また、グリップが深く作られているので、ホールドしやすくなっています。そして、モニターはバリアングル式です。

バリアングル式モニターは低いポジション、高いポジションでの撮影に便利。自撮りなども可能です。タッチパネルにも対応しているで、スマホ感覚で直感的に操作できます。
また、エントリー機なので初心者にも分かりやすい操作性となっています。特に、「ビジュアルガイド」が採用されており、各撮影モードの特長やもっと背景をぼかす方法など、知りたい情報を写真やイラストを使ってわかりやすく説明されています。

これなら専門知識がなくても設定に迷いにくいです。他にも簡単にキレイに撮れるモードが充実しています。
しかしながら、防塵防滴ではなく、カメラを水平に構えるのに便利な水準器などは搭載していません。この辺がエントリー機で劣る点です。
「EOS Kiss X10」のセンサーについて
有効画素数2410万画素
ISO感度100-25600
DIGIC 8
「EOS Kiss X10」は初心者向けカメラですが、ちゃんと高画質です。約2410万画素CMOSセンサーを搭載しているので、高価な上位機と差はありません。繊細に撮ることも、キレイにボカすことも可能です。
また、画像処理エンジンは「DIGIC 8」です。新しいエンジンなので、しっかりとノイズを除去したり、画像を高速で処理してくれます。ISO感度はISO100~25600まで使えるので、エントリー機ながら高感度耐性もそこそこ強くなっています。ただし、暗い場所ではAFが合いにくいかもしれません(低輝度限界EV−0.5)。
「EOS Kiss X10」の連写性能について
最高連写5コマ/秒
「EOS Kiss X10」の連写は5コマ/秒なので、連写は速くありません。やはり連写が速い方が、動きの速い被写体でも一瞬のシャッターチャンスを逃し難いです。なので、「EOS Kiss X10」は動く被写体は得意ではありません。
「EOS Kiss X10」のAF性能について
AFポイント9点
「EOS Kiss X10」のAFポイントは9点で少ないです。一眼レフカメラはAFポイントでしかピントを合わせられないので(ファインダー使用時)、9点だと構図を決めにくいですし、動く被写体へも追従するのは難しいです。
しかし、モニターを使ったライブビュー撮影では、キヤノン独自のデュアルピクセルCMOS AFにより、高速なAFが可能です。
「EOS Kiss X10」ではこれの性能が向上しており、センサー面の横約88%、縦約100%のエリアで最大143点の測距点を活かしたフォーカスを実現しています。

殆どどこでも素早いAFが可能です。使い勝手のよいバリアングルモニターの威力がさらに増しますね。
さらに、「瞳」を検知しフォーカスが可能となっています。

構図内に人物の顔が入ると、瞳の部分を検知して自動でフォーカスしてくれるので、ポートレートなどの撮影で大変便利です。
「EOS Kiss X10」の動画性能について
4K動画○
フルHD○
「EOS Kiss X10」は4K(3840×2160)24pの4K動画が撮影できます。また、4Kで撮影した動画の1コマを、静止画として切り出すことも可能です。動画感覚で写真を撮影できる。ただし、この場合は約830万画素になりますが、スマホで見たり、A4くらいならプリントにも耐えます。あと4Kのタイムラプス動画も撮影可能です。
「EOS Kiss X10」のネットワークについて
Wi-Fi○
Bluetooth○
「EOS Kiss X10」はWi-FiやBluetoothに対応しています。これにより、スマホに専用アプリ「Camera Connect」をダウンロード・インストールすると、撮った写真をスマホで見たり、保存することが可能です。そのまま家族や友人とシェアすることもできます。
「EOS Kiss X10」と旧モデル「EOS Kiss X9」との違い
旧モデルであるX9との主な違いは以下の通りです。
- DIGIC7からDIGIC8へ
- ライブビューでのAF性能向上
- 4K動画に対応
X9はDIGIC7で1世代古いエンジンでした。
また、X10ではライブビューでのAF性能が向上しており、画面内の縦約100%・横約88%でAF可能ですが、X9は縦約80%・横約80%でしか対応していませんでした。さらにX9は「瞳」を検知しフォーカスも出来ません。
そして、X9の動画性能はFull HD(1920×1080)60pまででした。4Kは不可で、動画を静止画に切り出すことも出来ません。
「EOS Kiss X10」と上位機「EOS Kiss X9i」との違い
上位機であるX9iとの主な違いは以下の通りです。
- 大きさ重さ
- 画像処理エンジン
- AF性能
- 連写性能
- 動画性能
X10は下位機ですが、発売時期が新しいので、上位機のX9iと性能が逆転している部分があります。
大きさ重さ
X10は449gですが、X9iは532gです。上位機であるX9iの方が83gほど重いです。これは体感的にも差が出るかと思います。
大きさについても差があります(左がX10、右がX9i)。

X10は約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm、X9iは約131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mmで、比べるとX9iの方が大きいですね。
画像処理エンジン
X10は最新のDIGIC 8を搭載していますが、X9iはDIGIC 7で1世代古いです。X10は2019年発売、X9iは2007年発売なので、その差ですね。最新の画像処理エンジンの方が、ノイズ処理やホワイトバランス調整などに優位と言われています。
AF性能
X10は9点のAFセンサーを採用、X9iは45点なので、上位機のX9iの方がAF性能は良好です。X10は動く被写体には向いていません。ただし、これはファインダーを使った時で、モニターを使ったライブビュー撮影では状況が変わります。
ライブビューでのAF性能は下位機のX10の方が優れています。X10はセンサー面の横約88%・縦約100%のエリアでフォーカス可能、測距輝度範囲もEV−4~18ですが、X9iは横約80%・縦約80%のエリアでフォーカス可能、測距輝度範囲はEV−2~18です。また、X10は瞳を検出してフォーカスすることも可能です。
ファインダーを使った撮影か、ライブビューでの撮影かで、AF性能が逆転するようですね。ただし、X9iは電子水準器を使えますが、X10はこれが使えません。
連写性能
X10は5コマ/秒、バッファーは約10枚(RAW)ですが、X9iは6コマ/秒、バッファーも約21枚(RAW)あります。これは上位機のX9iの方が優れています。特にX9iは連写で息切れしにくくなっています。
動画性能
X10は4K動画が撮影可能です。一方で、X9iはフルHDまで。下位機ながら新しいX10の方が性能が良いですね。また、X10は4K動画から静止画を切り出すことも可能です(800万画素)。これも便利な機能かと思います。
ライバルカメラ
仕様
参考リンク
基本仕様
タイプ | 一眼レフ |
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マウント | EFマウント |
寸法 | 約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm |
質量(バッテリーとメモリカードを含む) | 約449g |
防塵防滴 | × |
ボディ内手ブレ補正 | × |
水準器 | × |
内蔵フラッシュ | ○ |
バッテリー寿命 | ファインダー撮影:常温(+23℃)約1070枚 |
センサー
センサーサイズ | APS-C |
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センサー備考 | - |
有効画素数 | 2410万画素 |
ローパスフィルター | あり |
画像処理エンジン | DIGIC 8 |
静止画記録形式
記録メディア | SD/SDHC/SDXCメモリーカード |
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画像ファイル形式 | JPEG、RAW(.CR3 キヤノン独自:14bit) |
記録画素数 | L(ラージ):2400万(6000×4000)画素、 M(ミドル):約1060万(3984×2656)画素、 S1(スモール1):約590万(2976×1984)画素、 S2(スモール2):約380万(2400×1600)画素、 RAW(ロウ):2400万(6000×4000)画素、 C-RAW(ロウ):2400万(6000×4000)画素 |
スロット数 | シングルスロット |
オートフォーカス
AF方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
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フォーカスポイント | 9点 |
検出範囲 | EV −0.5~18 |
フォーカス備考 | 瞳を検知するオートフォーカス |
シャッター
シャッター形式 | 電子制御式、フォーカルプレーンシャッター |
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シャッタースピード | 1/4000~30秒 |
連写速度 | 最高約5 .0コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | RAW:約10枚 |
露出制御
撮影感度 | ISO 100~12800 |
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測光方式 | 63分割TTL開放測光 |
測光モード | 評価測光、部分測光、スポット測光、中央部重点平均測光 |
ファインダー
ファインダー形式 | ペンタダハミラー |
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視野率 | 上下左右とも約95% |
倍率 | 約0.87倍 |
モニター
可動・タッチパネル | タッチパネル対応、バリアングル方式 |
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画面サイズ/ドット数 | 3.0型、約104万ドット |
動画撮影
4K | 4K(3840×2160)24p |
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フルHD | Full HD(1920×1080)60p |
ネットワーク
WI-Fi | ○ |
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Bluetooth | ○ |
その他
使用可能温度 | 0℃~40℃ |
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使用可能湿度 | 85%以下(結露しないこと) |
発売日 | 2019-04-25 |